そこそこ上手いのにチームや練習で目立たないのはなぜか?

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そんなに悪くない選手なのに、どうしても練習やゲームで主導権を握れない。

こういうケースは良く見られます。

私が指導しているアキスポアカデミーU12の選手でも、「器用だけども居心地悪そうにプレーしている」というケースがあります。

これは判断の枠組みが無いために、プレー速度が落ちているからです。

例えばトライアングル(三角形)を作るということ

選手たちがプレーする上での思考の枠組みがあるかどうかで、プレーの判断スピードに大きな差がでるという話です。

例えば、ポジショナルプレーには3つの条件がある。「1列前の選手が同じレーンに並ぶのは禁止」(条件❶)で、逆に「2列前の選手は同じレーンでなくてはならない」(条件❷)。加えて、「1列前の選手は適切な距離感を保つために隣のレーンに位置することが望ましい」(条件❸)。このルールは、三角形をベースとした位置関係によって多くのパスコースを作り出すことを目的としている。

ポジショナルプレーの特異性生む「枝葉」から「幹」へという着想

これはピッチを縦に5つのレーンに分割して、より深いサッカーの解釈をしようという5レーン理論のお話です。

ポジショナルプレーの実践編。選手の認知を助ける5レーン理論

上記画像の右側だと、きれいな三角形が構成されています。

こうしてみると、三角形を作るという抽象的な表現も、かなり言語化されてすっきりします。

「1列前の選手と同レーンに立たない。かつ隣のレーンにポジションをとる。そして、2列前の選手は同レーンに立つ」という原則を守るだけで、勝手に良い角度のパスコースができてしまうわけです。

これがピッチのどの局面でも守られているならば、パスコースは無限に作られます。ピッチ上に多くの三角形を作るのに適したフォーメーションとして4-3-3が採用されているという考え方もあります。

これが、ここまで解像度高く言語化されて初めてチームの共通認識となり、選手のプレー判断の負担を減らすことになります。

練習やゲームで目立たない選手は、この「従うべき枠組み」を求めているケースがあると考えています。

これは悪いことではなく、当たり前のことです。

無限に考える材料を与えられると、かえって混乱する経験は誰しもあるものです。逆に、ある程度の枠組みを与えて、その中で思考、判断させる方が、スピード感がでます。

この思考の枠組みを与えるのは指導者の役割です。

特にこの三角形を作るというコンセプトは、選手の育成にも通ずることですので、育成年代への指導としても的確です。

導入として、5レーンの考え方で三角形を作って、徐々に体に覚えさせる。

その後は、どんなチーム戦術を採用しても、三角形のサポートの感覚は体に染みついているので、即座にポジションが取れるはずです。

チーム内でプレーが上手くいっている選手は何が違うのか?

逆にここまで言語化されていなくても、感覚と経験で直感的に判断する選手もいます。

このような選手が生まれる背景として私は、

  • 現状の認知能力が高い
  • ずっと同じポジションでプレーしている
  • 良い判断を知っている

という理由があると考えています。

1つの例として・・・

シャビはサンプルとなった日本人選手の平均に比べて、空間認識を司る脳の部分(頭頂葉)が圧倒的に発達しており、先の6つのフェーズを通して獲得した膨大なサンプル(映像化された経験)の中から(無意識のうちに)直感に従って適切なものを選び出している、という仮説が立てられる。

サッカーの天才は考えていない。「直感」を磨く認知の研究

2014年にNHKで放送された『ミラクルボディ』という番組で、スペイン代表のMF、シャビ・エルナンデスの脳の働きにフォーカスした特集がありました。

ざっくり言うと、「過去の経験から、現在の状況に似た場面を取り出し、最適なプレーをする」というのがシャビの脳の働きだったということです。

シャビの脳にはサッカーのプレーが、将棋の棋譜のように何パターンもインプットされています。プレー中は、そこから現在の場面に最適なパターンを引っ張り出すだけでいいのです。

いちいちゼロから考えていないということです。

この過去の経験から引っ張り出すという働きですが、条件があります。

  • 判断が間違っていないこと
  • 経験が豊富であること
  • 現状の認識がまちがっていないこと

この3つです。これは先のチーム内でうまくいっている選手の条件に当てはまります。

特に周りを見る能力が重要

特に、現状の認識能力が高いというのは、大きなポイントです。

同番組でシャビは、プレイヤー視点の試合の途中の映像を一瞬見たうえで、その時の自分の周りの味方とボールの位置、相手の位置を的確に答えた場面がありました。一般のプレイヤーと比較した時に、その精度には大きな差がありました。一般のプレイヤーは、自分がピッチのどこに立っているかも正確に答えられていなかったのです。

  • 正確な現状認識をし
  • 正しい判断を学び
  • 豊富な経験を積む

これだけの条件がそろって初めて世界№1のMFになれるということです。

特に正確な現状認識の為にシャビは1試合で何度も首を振って周囲を確認しています。

番組では一般のプレイヤーが1回周りを見る場面で、2,3回の首振り動作を行っていました。

この首振り動作は「スキャニング」といって、一流のサッカー指導者の間でも多いに注目されている動作です。

アキスポアカデミーでも、首振り動作を指導します。そのうえで、さらに良い判断とは何か?を指導し、良い経験を積むサポートをできればと思います。

最後に。今目立たなくてもそれはチーム状況の影響が大きい

最後になりますが、現在目立たなくてもそれは気にする必要はないです。

特に12歳以下の育成年代なので、この先いくらでも逆転現象は起きます。

プラスで、チームや指導者のスタイルによって、輝く選手と目立たなくなる選手というのは必ずいます。

例えば、サポートをとるのが上手い選手なのに、とにかく縦に速いサッカーをする・・・とか・・・。これでは足の速い運動量のある選手が優遇されるのは当たり前です。その能力が無いだけで、日の目を見る選手がいなくなるケースが秋田では何度もありました。

いずれにせよ、どんな戦術だろうが、理解して順応し、凌駕する選手になるためには、今アカデミーで指導しているサッカーの原理原則の部分をしっかり身に着けておく必要があります。

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